取材・監修の実際

よく取材を受ける。
多くなった。
昨日も某TV番組から、黒色に関する取材を受けた。




黒という色がつくと、
ものの価値が上がる。というもの。

黒豚、黒毛和牛、黒酢など。
豚→黒豚 和牛→黒毛和牛 酢→黒酢
確かに値段や価値が高くなった感じがする。

このことを色彩の本質からのぞいて
できるだけ解説することをする。
どれだけ解説をしても
電波に乗って伝わっていくことは
誰もが見て華やかにとれる一言や二言だ。
それでも解説を我々は怠ってはいけない。
たとえ結果的に一言や二言になろうとも
黒の尊厳を懇々と伝えていく。

科学的な根拠だけで納得がいくならば
明度や彩度、色相などをあげて納得するのだろうけれど、
ここに取材や後ろ盾を求めてくるということは、
人が色に対して数字だけではないところで向き合い、
求めている証拠だ。

人は間違いなくわけのわからぬつながりを持って生きている。
時にそれらをかきまぜて活気付いて生きていく。
個人的なものだけではなく
普遍的なものとの繋がりをもって、
自然の懐の中で生かされている。

その点で私たちに組み込まれた自然の力のことを
黒を考えるだけで思い馳せることになる。

小さな現象に対して、
大層なことを伝え続けなければならないことに
自分は一体何者なのだと
正直うんざりすることもある。