重なれば縁


山の中でぼーっと川の音を聞いたり、
その日1日食べるもののことを考えてたり、
夜の静けさの中で星を見上げたり、
そんなことができにくい時代になった。


自分から能動的に動けば、そのような時間に身を置けはする。

これだけいろんな出来事があって、これだけいろんな競争があって、
心はいつも抱えきれずに、何かを捨てながら生きている気がする。

小さい頃に砂浜で、砂を何度も手ですくいあげた。
同じような日々だ。
大切なことでさえ、そのすぐそばからこぼれ落ちていく感じがする。

「重なれば縁」。
このことを信じられる心が育てば、と思い知る。
こぼれ落ちても、仕方ない。
重なっていくこと、度々出会えることを、感謝して、
そこに縁を感じて生きていこう。

私はきっと、いろんなものを踏みつけにして生きている。
自然もまた、私たちを踏みつけてでも自らを営む。
そんなデモーニッシュな自然の諸力を、自分の中にも感じる。
生きる重みを、生命の儚さを、今回の災害でも思った。