5月の色:夜の色

夜の色を描くことは、
ほんとエネルギーがいる
時間があっという間に奪われていた
夢中にさせられてしまう

夜の色が怖いのは、わたしを還してしまうからだろう。
ずーっと前に、かつていた場所に。
そこへ毎晩、わたしたちは還る必要があるのだろう。
だから夜が、毎晩毎晩やってくるように
この世はできているのだろう。

昼間の喧騒の中で、
うちたててきたぼくらの秩序は、
夜につかまれば、まったく「たいら」になってくる。
意味も価値もなくなるほど、みんな「たいら」になる。
ぼくらは本源なるものへ復帰し、
わたしやぼくやみそやくそや、全部丸ごとただの生命に戻る。

そんな時間に、
そっと輝く月を感じる。
夜の光の在り方は、
ピッカー!じゃない。
しっとり、ひかる。

夜の色を描こう、と言えば、
みんなが思い思いのくれよんを手にする。
そんな中でも紺や青が多いのは、
月の光を受け止めた闇のいろなんだろうな。

どんな今でも、
光が消えることは
ない。